イエメンの概要
アラビア半島南端に位置する共和制国家で、古代から香料貿易で栄えた歴史を持つ。
基本情報
紅海とアラビア海に面し、内陸の高山地帯から乾燥した沿岸平野、世界的に貴重な固有種が生息するソコトラ諸島まで多様な自然環境を擁する。 古来「幸福のアラビア」と呼ばれ、サバア王国をはじめとする古代文明の遺跡が点在。 1990年に南北が統一して現在のイエメン共和国が成立したが、2015年以降は内戦が続き、人道・経済両面で大きな課題を抱える。 コーヒー発祥地の一つとされ、モカ港の名は世界のコーヒー愛好家に知られる。 豊かな伝統文化と独特の建築美を誇る一方、旅行・ビジネスには安全面で細心の注意が必要である。
- 正式名称
- イエメン共和国
- 通称
- イエメン
- 国コード(数字3桁)
- 887
- 国コード(英字3桁)
- YEM
- 国コード(英字2桁)
- YE
- 推計人口
- 約3,445万人 (2023)
- 人口密度
- 約67人/km²
- 主要言語
- アラビア語
- 主要宗教
- イスラム教(スンナ派・ザイド派シーア派)
- 国歌
- United Republic(النشيد الوطني اليمني)
- 国際電話番号
- +967
- インターネットTLD
- .ye
歴史
古代香料貿易で栄えた後、オスマン帝国・イギリス支配を経て1990年に南北統一。2015年から内戦状態が続く。
サバア王国(前1000年頃)に始まる繁栄は、乳香・没薬など香料の中継でローマ人から「アラビア・フェリックス」と称された。 イスラム期にはザイド派イマーム政権と外部勢力が交互に支配。 19世紀は北部をオスマン帝国、南部を大英帝国が支配し、1918年に北が王国として独立。 1960年代の革命で北は共和国化、南はマルクス主義政権の人民民主共和国となり、1990年5月22日に統一を果たした。 統一後も部族・宗派対立が続き、2011年の「アラブの春」で長期政権が崩壊。 2015年からサウジ主導連合とフーシ派が衝突する内戦が激化し、和平交渉が断続的に行われている。
地理・気候
紅海沿いの低地ティハーマ、標高3,000m級が連なる西部山岳地帯、 高原を越えて内陸に広がるハドラマウト台地、そして北東部のルブアルハリ砂漠と、 起伏と乾湿差の大きい地形が特徴。沖合のソコトラ島は隔絶された生態系を持つ。
乾燥帯(熱帯砂漠)と山岳性ステップ気候が混在
- 面積
- アジア / 527968 km²
- 首都
- サナア(暫定政庁所在地:アデン)
- 最大都市
- サナア
- 海岸線の有無
- 有
- 隣接国
- サウジアラビア, オマーン
政治
政治体制: 共和制(半大統領制)
経済
通貨: イエメン・リアル (YER)
GDP(名目): 140 億米ドル (2023)
GDP(PPP): 705 億米ドル (2023)
言語・時間帯
主要言語: アラビア語
時間帯: イエメン標準時
文化・習慣
民族集団
アラブ系イエメン人, ソコトラ人, マフラ人, アクダーム(ムハマシーン), 少数のイエメン・ユダヤ人
平均寿命
66.0
識字率
54.1
国民的スポーツ
サッカー, フットサル, テコンドー, ボクシング, 重量挙げ, 陸上競技