マリの概要
サハラ砂漠からサヘル、スーダン帯まで広がる内陸国で、ニジェール川流域のオアシス都市が古来より交易の要衝となってきた。
基本情報
マリは西アフリカで二番目の広さを持つ内陸国であり、国土の北部3分の2をサハラ砂漠が占める。一方中央部を横断するニジェール川とその内陸デルタは農耕や漁労の中心地で、南部は綿花や穀物が実るサバナが広がる。往年のマリ帝国やソンガイ帝国、砂漠の都トンブクトゥは金と塩の交易で繁栄し、イスラーム学術の灯をともした。今日も複数民族が共存し、グリオーの語りやサハラ・ブルースなど豊かな口承文化が息づくが、近年は武装勢力の台頭と気候変動が発展を阻む課題となっている。
- 正式名称
- マリ共和国
- 通称
- マリ
- 国コード(数字3桁)
- 466
- 国コード(英字3桁)
- MLI
- 国コード(英字2桁)
- ML
- 推計人口
- 2200万人 (2023)
- 人口密度
- 約18人/km2
- 主要言語
- バンバラ語, フルフルデ語, ソンガイ語, タマシェク語, フランス語
- 主要宗教
- イスラム教
- 国歌
- Pour l'Afrique et pour toi, Mali
- 国際電話番号
- +223
- インターネットTLD
- .ml
歴史
かつてのマリ帝国の名を継ぎ、1960年にフランスから独立。軍事クーデターと民政移管を繰り返しながら現在は暫定軍事政権下にある。
7世紀のガーナ王国以来、この地域は金・塩交易の中心として栄え、13世紀にはスンジャタ・ケイタがマリ帝国を建てた。マンサ・ムーサ王はメッカ巡礼で莫大な黄金をばらまき、帝国の名を世界に轟かせた。15世紀後半以降はソンガイ帝国が台頭するが、16世紀末にモロッコ軍の侵攻で衰退。19世紀にはバンバラ、トゥクロールなど大小王国が乱立し、最終的にフランス領スーダンとして植民地化された。1960年9月22日に独立し社会主義路線を経るも、1968年・1991年・2012年・2020年・2021年と軍事クーデターが続発。現在はアシミ・ゴイタ大佐率いる暫定政権が統治し、北部ではトゥアレグやジハード系武装勢力との紛争が続く。
地理・気候
サハラ砂漠からサヘル草原、ニジェール川の巨大氾濫原、南部の低い丘陵サバナまで緩やかな高原が続く。
砂漠気候と熱帯サバナ気候の二重性
- 面積
- アフリカ / 1240192 km²
- 首都
- バマコ
- 最大都市
- バマコ
- 海岸線の有無
- 無
- 隣接国
- モーリタニア, セネガル, アルジェリア, ニジェール, ブルキナファソ, コートジボワール, ギニア
政治
政治体制: 暫定軍事政権下の共和制(大統領制)
経済
通貨: 西アフリカCFAフラン (XOF)
GDP(名目): 194 億ドル (2023)
GDP(PPP): 550 億ドル (2023)
言語・時間帯
主要言語: バンバラ語, フルフルデ語, ソンガイ語, タマシェク語, フランス語
時間帯: 西アフリカ標準時
文化・習慣
民族集団
バンバラ人, フラニ人, ソンガイ人, マリンケ人, ソニンケ人, トゥアレグ族, ボゾ人, ドゴン人, ムーア人
平均寿命
約61.5歳
識字率
38%
国民的スポーツ
サッカー, バスケットボール, レスリング(ラ・ルッテ), 陸上競技, 伝統棒術「ティグ」, 自転車ロードレース