レバノンの概要
地中海東岸に位置し、古代フェニキア以来の商業・文化の十字路として栄えた多宗派国家。
基本情報
レバノンはアジアで最も面積の小さい主権国家の一つながら、地中海交易と山岳文化が織り成す独自の歴史的景観を持つ。レバノン杉が国の象徴であり、首都ベイルートは「中東のパリ」と呼ばれた。アラブ世界では例外的に宗教的多元性が法制度に組み込まれ、アラビア語とともにフランス語・英語が広く通用する。近年は経済・通貨危機と度重なる紛争の影響を受けながらも、フェニキア遺跡や豊かな食文化が世界中の旅行者を惹きつけている。
- 正式名称
- レバノン共和国
- 通称
- レバノン
- 国コード(数字3桁)
- 422
- 国コード(英字3桁)
- LBN
- 国コード(英字2桁)
- LB
- 推計人口
- 約550万人 (2023)
- 人口密度
- 約526人/km2
- 主要言語
- アラビア語, フランス語, 英語
- 主要宗教
- イスラム教, キリスト教, ドゥルーズ派
- 国歌
- كلّنا للوطن(Kulluna Lil-Watan/我ら皆祖国のために)
- 国際電話番号
- +961
- インターネットTLD
- .lb
歴史
古代フェニキア都市国家からローマ、オスマン、フランス委任統治を経て1943年に独立。
約7000年前の定住跡が残り、紀元前3200年頃から海洋交易で名を馳せたフェニキア人の中心地となった。その後アッシリア、バビロニア、ペルシア、ローマ、ビザンツ、アラブ、十字軍、オスマン帝国と支配が変遷。第一次世界大戦後はフランス委任統治領シリアの一部として“大レバノン”が成立し、1943年に共和制国家として独立した。1975年‐1990年のレバノン内戦で国家機能が崩壊したが、1990年代に復興。2005年のシリア軍撤退、2006年イスラエルとの戦闘、2020年ベイルート港爆発などを経験しつつ、宗派協調体制の下で再建を続けている。
地理・気候
レバノン山脈とアンチレバノン山脈が平行に走り、その間を肥沃なベッカー高原が貫き西側は地中海に面する細長い国土。
地中海性気候
- 面積
- アジア / 10452 km²
- 首都
- ベイルート
- 最大都市
- ベイルート
- 海岸線の有無
- 有
- 隣接国
- シリア, イスラエル
政治
政治体制: 共同宗派制共和国(議院内閣制)
経済
通貨: レバノン・ポンド (LBP)
GDP(名目): 230億 米ドル (2023)
GDP(PPP): 870億 米ドル (2023)
言語・時間帯
主要言語: アラビア語, フランス語, 英語
時間帯: 東ヨーロッパ時間, 東ヨーロッパ夏時間
文化・習慣
民族集団
アラブ系レバノン人, アルメニア人, クルド人, アッシリア人, トルコ系, パレスチナ系, シリア系, ユダヤ人
平均寿命
約79歳(2022)
識字率
約95%(ユネスコ推計)
国民的スポーツ
サッカー, バスケットボール, ラグビーリーグ, バレーボール, スキー