西サハラの概要
北西アフリカ・サハラ砂漠西端に位置する未統治領域で、モロッコとサハラ・アラブ民主共和国(SADR)が領有を主張している。
基本情報
西サハラは、かつてのスペイン領サハラが1976年にスペインから撤退した後、帰属が未解決のまま残された地域である。大西洋岸に面する面積26万6千km2の広大な砂漠地帯で、リン鉱石を中心とする地下資源と漁業資源が豊富とされる。現在その約8割をモロッコが『南部州』として実効支配し、残りを独立派のポリサリオ戦線が『自由区』として管理、亡命政府SADRはアルジェリア難民キャンプを拠点に行政を行う。国連は非自治地域として停戦監視団MINURSOを派遣し、住民投票による最終的地位決定を目指している。
- 正式名称
- サハラ・アラブ民主共和国(支配未確定地域)
- 通称
- 西サハラ
- 国コード(数字3桁)
- 732
- 国コード(英字3桁)
- ESH
- 国コード(英字2桁)
- EH
- 推計人口
- 約60万人 (2023)
- 人口密度
- 約2.3人/km2
- 主要言語
- アラビア語(ハッサニア方言), スペイン語, ベルベル語
- 主要宗教
- イスラム教(スンニ派)
- 国歌
- يا بني الصحراء(サハラの息子たちよ)
- 国際電話番号
- +212
- インターネットTLD
- .eh(未割当)
歴史
1884年にスペイン保護領となり、1976年のスペイン撤退後は帰属未定。1991年停戦合意後も住民投票は実現していない。
ベルベル系遊牧民が往来していた地域は、19世紀末に『スペイン領サハラ』として植民地化された。スペイン撤退後、マドリード協定に基づきモロッコとモーリタニアが分割管理したが、独立を掲げるポリサリオ戦線は武力闘争を開始。1979年にはモーリタニアが撤退し、モロッコは砂の壁を築いて支配地域を拡大した。1991年、国連仲介で停戦・住民投票実施に合意したものの、有権者資格を巡って投票は延期されたままである。近年はモロッコによるインフラ整備と国際的な外交攻勢、SADR側はAU加盟国などの支持を受け、それぞれが既成事実化と国家承認の拡大を図っている。
地理・気候
大西洋岸の平坦な岩石砂漠と内陸の広大な砂丘帯が主体で、東部には標高数百メートルの岩山と乾いたワジが点在する。
乾燥帯砂漠気候 (BWh)
- 面積
- アフリカ / 266000 km²
- 首都
- アイウン(事実上の行政中心)
- 最大都市
- アイウン
- 海岸線の有無
- 有
- 隣接国
- モロッコ, アルジェリア, モーリタニア
政治
政治体制: 未統治地域(モロッコの地方行政と亡命政府SADRによる共和国体制が並立)
経済
通貨: モロッコ・ディルハム (MAD)
GDP(名目):
GDP(PPP):
言語・時間帯
主要言語: アラビア語(ハッサニア方言), スペイン語, ベルベル語
時間帯: 西ヨーロッパ標準時 (WET), 西ヨーロッパ夏時間 (WEST)
文化・習慣
民族集団
サハラウィ, アラブ系(ハッサニ), ベルベル系, ムーア, ハラティン
平均寿命
約70歳
識字率
約64%
国民的スポーツ
サッカー, ラクダレース, カイトサーフィン, 陸上競技