TAAF(ティアーフ)の概要
インド洋南部から南極大陸沿岸に点在するフランス共和国の極南海外領土。
基本情報
フランス領南方・南極地域(TAAF)は、インド洋の亜南極諸島(ケルゲレン諸島、クローゼー諸島、アムステルダム島・サンポール島)、マダガスカル沖のイパールス諸島、そして南極大陸のアデリーランドから成る広大な無人領域である。恒常的居住者はおらず、研究者・気象観測員・軍関係者が交代で駐在するのみで、行政庁はケルゲレン諸島ポルトーフランセに置かれる。生態学的に極めて貴重な野生生物の繁殖地であり、2019年には大部分がユネスコ世界自然遺産に登録された。南極条約によりアデリーランドの領有権は凍結されている。
- 正式名称
- フランス領南方・南極地域(Terres australes et antarctiques françaises, TAAF)
- 通称
- TAAF(ティアーフ)
- 国コード(数字3桁)
- 260
- 国コード(英字3桁)
- ATF
- 国コード(英字2桁)
- TF
- 推計人口
- 約140人(越冬期) (2024)
- 人口密度
- 0.001人/km² 未満
- 主要言語
- フランス語
- 主要宗教
- なし(恒常的住民なし)
- インターネットTLD
- .tf
歴史
19世紀の捕鯨・アザラシ猟探索を経て1955年にフランスの海外領地として編成。
1772年のケルゲレン諸島発見以降、南洋捕鯨船やアザラシ猟船の寄港地として利用されたが、過酷な環境ゆえ定住は進まなかった。フランスは1893年に諸島群を併合し、1955年8月6日の法律によって「フランス領南方・南極地域」が正式に設置された。1960年代以降はポルトーフランセやアルフレッド・フォール基地などが整備され、国際共同研究の拠点となる。2005年にはフランス領インド洋無人島群(イパールス諸島)が編入され、2019年にフランス領南方地域国立自然保護区が世界遺産に登録された。現在も主な活動は科学観測と環境保全であり、一般観光は厳しく制限されている。
地理・気候
花崗岩と玄武岩から成る急峻な火山島が多く、氷河で刻まれたフィヨルド、ツンドラ草原、南極氷床の縁が広がる。
亜南極海洋性気候(島嶼部)/極地気候(アデリーランド)
- 面積
- 南極・インド洋 / 439781 km²
- 首都
- ポルトーフランセ(行政センター)
- 最大都市
- ポルトーフランセ
- 海岸線の有無
- 有
政治
政治体制: フランス共和国の海外領土(特別領地)
経済
通貨: ユーロ (EUR)
GDP(名目):
GDP(PPP):
言語・時間帯
主要言語: フランス語
時間帯: UTC+05:00(ケルゲレン・クローゼー・アムステルダム/サンポール), UTC+03:00(イパールス諸島), UTC+10:00(アデリーランド、夏時間)
文化・習慣
民族集団
フランス人, 他欧州諸国研究者, カナダ人, オーストラリア人
国民的スポーツ
サッカー(室内ミニゲーム), 卓球, エスキモーロール(カヤック訓練), クロスカントリースキー