南極大陸の概要
南極は南極点を中心とした地球最南端の大陸および周辺海域で、国際条約により軍事活動や資源開発が制限されている世界最大の自然保護地区である。
基本情報
南極大陸は面積約1,400万km²、平均氷厚約1,900mの巨大な氷床に覆われ、地球上で最も寒冷かつ乾燥した環境が広がる。平均標高は2,300mと全大陸中最高で、年間平均気温は内陸部で−50℃前後、沿岸部でも−10℃以下。恒常的な定住者は存在せず、約30カ国が科学観測基地を設置し、夏季には観測隊員と支援要員が集まり、冬季に越冬する隊員は大幅に減少する。1959年に締結された南極条約は領土権主張の凍結、軍事利用の禁止、科学的協力と環境保護を柱とし、以後マドリッド議定書などで保護が強化されている。氷河学、気候変動、生物学、天文学など多岐にわたる研究の最前線でありながら、近年は観光クルーズの増加による環境負荷が懸念されている。
- 正式名称
- 南極
- 通称
- 南極大陸
- 国コード(数字3桁)
- 010
- 国コード(英字3桁)
- ATA
- 国コード(英字2桁)
- AQ
- 推計人口
- 定住人口なし(夏季約4,000人、冬季約1,000人の観測隊員のみ)
- 人口密度
- 0
- 主要言語
- 多国籍のため統一公用語なし(英語がリンガフランカとして広く使用)
- 主要宗教
- インターネットTLD
- .aq
歴史
人類の到達は19世紀初頭、1911年にアムンゼン隊が初めて南極点に到達した。その後各国が探検を進め、1957〜58年国際地球観測年を契機に恒常的な観測体制が整った。
南極の存在は古くから仮説上『未知の南方大陸』と考えられていたが、1820年代に初めて陸地が確認された。20世紀初頭には英国とノルウェーの探検隊が競って南極点を目指し、1911年12月14日にロアール・アムンゼンが初到達、翌年ロバート・スコット隊が到達後に帰途で全滅した悲劇も知られる。第二次世界大戦後は領土権主張が激化したが、冷戦下でも科学協力を優先する機運が高まり1959年南極条約が採択、1961年発効した。条約体制の下で国際地球観測年の成果は共有され、1970年代以降はオゾンホールの発見、隕石集中帯の発見、氷床コアによる古気候解析など科学史に残る成果が次々と生まれた。1991年マドリッド議定書により鉱物資源開発は少なくとも2048年まで禁止され、南極は地球環境研究と国際協調の象徴的地域となっている。
地理・気候
大陸全体の98%が氷床で覆われ、内陸は広大な高原、沿岸は棚氷や流出氷河、半島部には山脈とフィヨルドが発達する。乾燥谷やヌナタックなど氷のない特殊地形も点在。
氷雪気候(ケッペンEF)、沿岸の一部はツンドラ気候
- 面積
- 南極大陸 / 14000000 km²
- 海岸線の有無
- 有
- 主要湖沼
- ボストーク湖(氷床下淡水湖)
政治
政治体制: 主権国家ではなく南極条約体制下の国際共同管理地域
経済
通貨: ()
GDP(名目):
GDP(PPP):
言語・時間帯
主要言語: 多国籍のため統一公用語なし(英語がリンガフランカとして広く使用)
時間帯: 各観測基地が支援国の標準時または経度に基づき設定
文化・習慣
民族集団
常住人口なし(各国研究者が巡回)
国民的スポーツ
アイスランニング, 基地間アイスホッケー, クロスカントリースキー, アイスフラックス野外競技